まいにちショウアクのすけ

平日の日課として、書いて、書いて、書いて!

短編小説

月が果てるか、勇者が寝るか。

急いで帰って、子供と一緒に皆既月食を見る。 そう決めていた。 5年前にも月食があったそうだが、そのこと自体今更知った僕はもちろん見ておらず、皆既月食を見る経験自体、今回が初めてであった。 事前にベッドの向きを変え、ちょうど寝転ぶと、2階の寝室の…

「不思議な一致」と「ネコのアボガド」

僕は毎朝、自分の家のある西東京市から会社のある青山まで、 西武線と大江戸線を乗り継いで通っています。 練馬駅を乗り換えで利用します。その乗り換えのときに、決まって駅前のセブンイレブンでコーヒーを買うのですが、 先日、雪が降った翌日だったと思う…

愛する経験

今週のお題「私のアイドル」 今年で3才になる息子が、僕にとってはかけがえのない存在になっている。 彼が生まれたとき、この子の「ために」頑張ろうと誓ったが、今、この子の「おかげ」で頑張れている自分がいる。 僕の父(息子にとっては祖父にあたる)が…

僕に起きた奇妙な体験 その4「車にて」

すごく短い話。 車にて 友人の車に乗り、ホームセンターに寄ったときだった。洗剤を買いたいという友人を車の中で待っているとき、コンコンと自分の座っている助手席の窓を叩かれた。 外には作業着のような格好、痩せていて眉毛の間に産毛をたっぷり生やした…

僕に起きた奇妙な体験 その3 「ガードレール」

1番肝を冷やした経験だ。これを超える経験はまだないし、これを超える経験を、できればしたくない。 ガードレール 卒業旅行で湯畑に行った。湯畑の一角からは少し離れた場所に宿を取っていて、温泉プールの隣接した大きなホテルだった。旅行のメンバーの中に…

僕に起きた奇妙な体験 その2 「ドボン」

中学3年生の時である。中学3年生の1年間は、人生で1番奇妙な体験が多かったような気がする。 ドボン 夏場、塾に行く前に風呂に入った。クーラーのない自室で、扇風機を回しながら勉強をしていて、汗だくであった。汗臭かった。このまま塾に行くのは気が引け…