まいにちショウアクのすけ

平日の日課として、書いて、書いて、書いて!

譲れない砂時計

家庭によって様々な独自ルールがあると思います。例えば中濃ソース。僕の実家では中濃ソースを冷蔵庫で保管していましたが、妻の実家では常温保存が決まりだったそうで、
いま我が家のソースは、コショウや砂糖が閉まってあるガスコンロ脇の引き戸にしまわれています。

妻と同棲を始めて間もないとき、
買ってきた中濃ソースを冷蔵庫に蔵う僕を見て、妻はなんで?考えられないと言った感じで理由を聞いてきました。しかし僕もなんで?と言われてその理由は説明できないんです。
中濃ソースは、冷蔵庫にしまうべしというルールで育ってきたものの、その具体的な理由なんて考えてこなかった。逆に妻になぜ常温保存すべきなのかを聞いても、その理由は特になく、彼女もおんなじような感じ。
だって中濃ソースは常温保存じゃない?というような感じ。

僕自身、冷えた中濃ソースにこだわりがあるわけではないので、今我が家では中濃ソースは、暗闇の世界のシンボルのように、引き戸に鎮座しているのですが、ルールのすり合わせというのは意外と大変なものです。小さなストレスになったりしますもんね。

僕にも1つだけ譲れないルールがあって、それには妻にも我慢してもらっています。それは風呂場に砂時計を置くというルールです。

僕の育った家では、必ず風呂場に5分単位の砂時計が置いてありました。全身を洗う、風呂に浸かる、諸々の作業を15分で終わらせるというルールがあって、そのタイムリミットを測るため、そしてそれぞれの作業のペースを測るために使っていました。(きっと子供が多かったので効率的にお風呂を済ませたかったんでしょう)

体、頭を洗うのに5分、風呂に浸かるのに5分、上がってヒゲを剃ったり体を拭いたりに5分というのが理想的ペース。各作業が終わったら、砂時計をひっくり返すような感じです。

電子式のタイマーでいいじゃない?
と妻に一度提案されたことがありますが、数字式のタイマーだとイマイチ雰囲気が出ないんです。なんというか、砂が落ちていくあのハラハラ感が好きなのと、お風呂に浸かりながら、ぼーっと落ちていく砂を見つめ、遠く離れたサハラの砂漠をイメージすると、風呂でかく汗が心なしか少し心地よかったりするのです。

一つ悩みがあって、砂時計のフレームが木枠のものがほとんどで、2年もすると、木の部分が湿気でだめになってしまうこと。だから定期的に買い替えなければいけないことが結構面倒です。

ただ、不思議と(?)中の砂が湿気でくっついてしまったり、ダマになってしまうようなことは今まで一度もありません。

随分閉じ込められた砂漠なのかもなぁ。

#小説,#短編,#エッセイ,#お風呂,#砂時計

お題「これって私だけ?」