愛する経験
今週のお題「私のアイドル」
今年で3才になる息子が、僕にとってはかけがえのない存在になっている。
彼が生まれたとき、この子の「ために」頑張ろうと誓ったが、今、この子の「おかげ」で頑張れている自分がいる。
僕の父(息子にとっては祖父にあたる)が、おみやげで買って来た紙風船を息子はどんなおもちゃよりも大切にしている。
遊んでいると中の空気が抜ける。
「ほれ、この穴のところにふっーってしてごらん、紙風船、元気になるよ」と教えると、甘い息を吹いて、一生懸命息子が膨らませる。
げんきになったねぇ
と言って遊ぶ息子を見ながら、いつのまにかソファでうたた寝する。幸せのひと時だ。
つい先日もそんな風にうたた寝をしていたら、顔のあたりに風を感じた。
薄目を開けて見ると、僕の口に一生懸命息を吹きかける息子が見えた。
父ちゃん、元気なく見えたのかな。ごめんごめん。と思いながら、懐かしいビスケットの匂いの風を感じながら、僕は眠った。
最近、保育園で、好きな子ができたと息子から聞いた。
あかりちゃんという名前の子らしい。
知っているのはそれだけで、
彼女がどんな子なのか、
僕は知らない。